超解釈テニスの王子様  人生哲学としてのテニプリ(namimashimashiのブログ)

人生への圧倒的肯定を描き出す『テニスの王子様』と、その続編『新テニスの王子様』についての個人的な考察を綴ります。 出版社および原作者など全ての公式とは一切の関係はありません。全ては一読者の勝手で個人的な趣味嗜好です。 Twitterアカウント:@namimashimashi

"愛"が見える

諸宗教(創唱宗教)ではその教えに神(またはそれに準ずる存在)からの"愛"が語られていることが多い。

絶対的な愛が人々へ救い赦しをもたらす。

 

テニプリにおける"愛"は、原作者許斐剛先生の作品および作中キャラクター達に対するあふれんばかりの"愛"が、ファンやテニプリファミリーと呼ばれる公式製作陣達に伝わり、テニプリを愛する原動力となり、多くのテニプリへの愛を産む。

その原作者からの"愛"とそれに波及する多くの人々からの愛される力を以って、キャラクター達は各々にその人生を光り輝かせることで、テニプリ全体として人生への圧倒的肯定感を放っている。

 

そのテニプリにおける"愛"の実現は目に見える形で表れている。

 

2018年5月2日 新テニスの王子様 パーフェクトファンブック 23.5巻が発売された。

原作者である許斐剛先生が完全監修の正に"パーフェクトファンブック"だ。

その内容や情報量に関しては、ぜひ現物をご覧いただきたい。

 

この23.5巻はテニプリの"愛"を体現したものなのである。

この23.5巻に表れているものこそがテニプリの愛である。

 

23.5巻に掲載されたキャラクター数は196名(除く許斐剛先生)。そして、名前が出ただけのキャラクターもカウントすれば+6名=202名となる。

なお、2016年1月16日に開催された「許斐剛☆サプライズLIVE 〜一人テニプリフェスタ」の物販200キャラクター描き下ろし缶バッジのラインナップによると、23.5巻に掲載も言及もされていないキャラクターは他に30(含む:うさいぬ、熊の大五郎など)ある。つまり、パーフェクトファンブックのキャラクター網羅率は約87%である。

連載19年目を迎え、主人公の所属学校内での部内戦、地区大会という小さい規模の試合からスタートした物語が舞台を世界に移し、登場人物も中学生に加えて高校生が増えた現状でも『テニスの王子様』連載初期のキャラクターのプロフィールを掲載するファンブックを原作者完全監修で刊行するのがテニプリだ。

キャラクターそれぞれを人気の高さや登場時期ではなく、一人一人として尊重しているからこそできる業である。

 

またお気付きの通り、"200キャラ描き下ろし缶バッジ"というグッズとして販売される物を原作者が製作した事実からも、名前のあるキャラクターは全て尊重し愛を注ぐ原作者の姿が見られるだろう。

 

余談だが、2018年6月10日開催予定のおてふぇすでは完全版缶バッジ全198種類が販売される予定だ。名前のある登場人物232人中、約85%のキャラクターがグッズになり値が付き、販売されるのである。→2018年5月25日追記:おてふぇす2018缶バッジ全198種類は、キャラクター缶バッジではなく、原作イラストであることが2018年5月25日に発表されたので、グッズ化されたキャラクター数は196名、その率は約83%となります。

 

作中のキャラ一人一人が原作者によって愛される世界がテニプリにはある。 

 

そしてこの原作者の"愛"はテニプリファミリーにも伝わり、原作漫画以外の場所からもファンへ"愛"が伝わるようになっている。

 

アニメ『テニスの王子様』『新テニスの王子様』の声優キャスト2名の話を引用したい。

 

なお、2001年10月10日にテレビアニメ 『テニスの王子様』放送開始。

アニメ『テニスの王子様』は3~4ヶ月で急いでオーディションを実施したという話があることから、初回から登場しているキャラクターの声優キャストは、2001年初夏〜夏頃にオーディションを受けていると推測される。

すると、青学(他、玉林、不動峰など無印の地区大会までに登場するキャラクター)キャストは約17年間(2001年夏〜)キャラクターと付き合いを重ねている。

 

川本成氏オフィシャルブログ「Naru's blog'n boy ブロークンショウネン」

2016年10月27日 1時10分13秒 「テニフェス2016④」の記事より

本当にね、あの先生はね、凄いす。本当に凄い。

許斐先生は本当にウォルトディズニーみたい。許斐先生は愛だ、愛そのものだ。と前に言ったことがありますが、そうか、やっぱりあの先生は愛に加えてピースフルなんだ。誰でもビックリ、楽しんで、そしてみんな笑顔、みたいな事だ。
 
それは言葉で言うとやっぱり「ラブアンドピース」って事になるんだろう。
 
許斐剛先生はつまりラブアンドピースなんだ。
 
 
 
そして、そんな許斐先生自体がガンガンに前を向き続けてるんだよ。走り続けてるんだもの。
誰も傷つかないで、そしてみんながピースな、全うで尊い道を作りながら先頭を走り続けている。」
 
 
 
2018年3月2日 許斐 剛のパーフェクトLINE LIVE!
諏訪部順一氏の発言1h30m15s〜
「テニフェスとかあるじゃないですか やっぱり色々キャラごとにそのソロで歌う場面もあったり見せ場があったりするじゃないですか 僕らキャスト側がいつも言っているのは満遍なくみんながちゃんと出番があるようにセットリストっていうか構成つくってくれっていう どんなキャラ 例えばいわゆるその人気があるとかそういうことじゃなくて みんな同じこのテニプリのキャラクターで並列だから 同じプレイヤー達だから そしてそれの魂込めてやっている役者達が集まってこのステージの上に乗っかるんで これどっかをこうやって持ち上げて このキャラ人気だからこいつをメインにしてどうこうって もちろん主人公の越前リョーマとかメインですけどこれはもう当然のことなんだけど それ以外に関してとかっていうのは みんなが それぞれに愛してくれている人たちがいるわけで、これはどうにかいつもお願いしていることで 僕たちからも」
※許斐先生のテニプリファミリーにもすごく伝わっていて、人気のあるキャラクターだけじゃなくて、制作側がファンの欲しがるキャラクターを作ってくれている〜という話を受けて。
 
諏訪部順一跡部景吾のオーディションに受かった連絡を受けたのは雪が降っていた日だそうだ。テレビシリーズに跡部景吾が初登場したのが2002年3月13日放送分「薫の災難」であることを考えると、おそらく2001年末〜2002年始め頃にキャスティングされている。16年半。氷帝学園(除く日吉若)は青学から半年遅れくらいでのキャラクターとの付き合い。
 
テニプリファミリー=原作・アニメ・ミュージカルというテニプリ公式三位一体3コンテンツのいずれかに関わる製作者達のこと。アニメキャスト、テニミュキャスト、脚本家、プロデューサーなど。
 
 
このように原作者許斐剛先生のテニプリ愛がテニプリファミリーのテニプリ愛となり、オールテニプリのコンテンツを通してファンに伝わることで、ファンは安心してテニプリを好きで愛することができる。
この安心感をもたらす"愛"の源が原作漫画であり、目に見える、実在する形としてあることで、テニプリにおける"愛"が絶対性を帯びるのである。
絶対的な愛は強い。
その強さが読者(ファン)の人生をも支え得る力だ。
王子様達が人生に寄り添う存在となる由縁である。