超解釈テニスの王子様  人生哲学としてのテニプリ(namimashimashiのブログ)

人生への圧倒的肯定を描き出す『テニスの王子様』と、その続編『新テニスの王子様』についての個人的な考察を綴ります。 出版社および原作者など全ての公式とは一切の関係はありません。全ては一読者の勝手で個人的な趣味嗜好です。 Twitterアカウント:@namimashimashi

原作読み方心得

テニスの王子様 パーフェクトファンブック 23.5巻掲載の"許斐先生が語る!パーフェクトインタビュー"内で「きちんとマンガを見てもらいたいな。」と『テニスの王子様』『新テニスの王子様』の原作者であり創造主である許斐剛先生は話している。

 

その原作漫画『テニスの王子様』『新テニスの王子様』を読む時に心に留めておきたいことを3点を述べる。

 

1)リアリティーを過度に追求しない

テニスの王子様』『新テニスの王子様』はスポーツ漫画というジャンルに分類されるものの、掲載元の週刊少年ジャンプはファンタジー漫画も載っている漫画雑誌である。

テニスの王子様』『新テニスの王子様』はスポーツというよりはジャンプ漫画なのである。

つまり、バトル・ファンタジー物にも勝るとも劣らない展開や表現が多様に用いられている。

2017年4月28日に発売された少年ジャンプ特別編集増刊ジャンプGIGA2017val.1掲載の"許斐剛×藤巻忠俊クリエイティブの秘訣お答えしますスペシャル"の対談内において、藤巻忠俊先生を交えながら、

実際にスポーツものではフィクションのシナリオよりもノンフィクションの筋書きのないスポーツを観る方が面白いこともある。その実際の生のスポーツのワクワク感に勝つために漫画でしか描けないフィクションやドラマを工夫している。漫画でしか表現できない部分に価値がある。(要約)

といったようなことを語っている。

 

2)キャラクター の意志を読みとる

テニプリはキャラクターの設定が非常に細かく決まっている。

前述の対談内でも許斐剛先生は「人がそこに一人生まれるみたいな感じで作っていますね。」と語るほどである。

その細かな設定が原作漫画ではキャラクター自身の意志となり動くようになってくる。

テニスの王子様 公式ファンブック40.5巻掲載"許斐剛先生 百八式破答集 キャラクター編"のQ54「キャラの試合展開はどの様に決めるのですか?」という質問に対して

A.「おおまかな勝敗等、メインの流れは決めてから描き始めるのですが、実際の試合になると、キャラクターがそこで決めていなかったような動きをしてしまうんです。」

と回答している。

すなわち、描き手である原作者の手を離れ、原作者ですらも想定ができきれない意志を持った存在としてのキャラクターが漫画内には生きていることを覚えておきたい。 

 

3)刹那性

許斐先生が2018年3月のパーフェクトLINE LIVEで言っていた「一度勝ったからと言ってキャラクター間の強弱が決まるのではない」という点だ。

読者からの質問「新人戦では氷帝の日吉若と立海切原赤也はどちらが買ったのですか?」への回答にあたっての1:05:28~の発言「テニスって一回勝ったからその人が強いってわけじゃなくて、錦織選手でもやっぱりランキング下の人にも負けたりするから、その時のコンディションとかサーブがすごく入ったとか、変わってくるので。たまたまその時は。」と、いうことだ。

テニスの王子様』『新テニスの王子様』で描かれる試合結果は、【その時】【その場所】であったからこその試合結果という受け取り方が推奨される。

 

以上3点を『テニスの王子様』『新テニスの王子様』を読む時は心に留めておくと、より真っ直ぐに原作漫画を読むことができるのではないだろうか、と考えて漫画を読むようにしている。