超解釈テニスの王子様  人生哲学としてのテニプリ(namimashimashiのブログ)

人生への圧倒的肯定を描き出す『テニスの王子様』と、その続編『新テニスの王子様』についての個人的な考察を綴ります。 出版社および原作者など全ての公式とは一切の関係はありません。全ては一読者の勝手で個人的な趣味嗜好です。 Twitterアカウント:@namimashimashi

《ショー》・マスト・《ゴー・オン》-君島育斗&白石蔵ノ介ペアを考える

※タイトルに脱字があったため、アップロードし直しました。

 

『新テニスの王子様』U-17 W杯 準々決勝 日本vsフランス D2君島育斗&白石蔵ノ介vsトリスタン・バルドー&ティモテ・モローの試合と、楽曲『go on/白石蔵ノ介 』について書きたい。

 

まず第一に、私はこの試合が大好きなのだ。

めちゃくちゃ面白くて好きな試合だ。

 

そもそも君島育斗の試合が面白い。

君島がプレーする試合は、君島育斗の能力(スキル)『交渉』が存分に生かされる試合展開になっている。

交渉が成立すれば君島サイドが勝利し、失敗すると敗北となる。

詳細は割愛するが、W杯前の合宿所での入れ替え戦も『交渉』に沿った試合展開になっている。(参照:『新テニスの王子様』9巻10巻Golden age84〜90)

この君島&白石vsトリスタン&ティモテも、試合途中で『交渉』のテーブルに事前になかった手札:"トリスタン&ティモテが2人とも両利き"を出されて交渉成立のシナリオが崩れる。

 

日本vsフランス戦D2は、ストーリー展開も上手い。

最初はポージング対決の突拍子もなさにゲラゲラと大笑いしてたのが、試合が後半に進むにつれて真剣勝負の試合展開に引き込まれて行き、カミュが「可笑しいねいつの間にか4人共ポージング対決忘れてるよ」と言う頃には読者側も最初のポージング対決を忘れて漫画を読むようになっている。まるで漫画世界と読者心情がリンクするかのような感覚を覚える。

また、決着スコアだけ見ると日本ペアは結構な惨敗であるが、内容の描き方で白石にも君島にも魅せ場がちゃんとあり、さらには白石の成長物語にもなっていて、でもしっかりフランスが勝っているのでフランスの格落ちにもなっていない。

ストーリーの上手さは応援で描かれる人選にも現れており、試合後半Golden age240可笑しなイケメン達においてベンチで切原赤也がヤジを飛ばして、それを遠野篤京に諌められる(殴られてる)が、これは、

・5番コートvs3番コートの総入れ替え戦D2で白石蔵ノ介と切原赤也がペアを組んだこと

遠野篤京と君島育斗がダブルスを組んでいたこと

・U-17W杯大会vsギリシャD1で遠野篤京切原赤也がペアを組んだこと

以上3つを踏まえて成り立つ描写で、ここまでの『新テニスの王子様』で展開された人間関係を綺麗に踏襲している。

 

そして、とりわけ印象的なのが、白石蔵ノ介のキャラソン『go on』の歌詞から引いてきたようなサブタイトルGolden age237 so attack。

『go on/白石蔵ノ介』は、テニプリフェスタ2016合戦テニプリソング1/800曲!の投票で総合4位ソロ部門2位に選ばれている。

2010年4月の発売から支持され続けるテニプリソングの中でも色褪せない名曲の一つだ。

 

本稿のタイトルに用いた"The show must go on."。

この試合は白石蔵ノ介と君島育斗とのペアだ。

この試合の白石のパートナーが種ヶ島ではなく君島だったのは必然だ。

 

審判が試合開始を告げた直後に君島は言う。

「さぁショーの開幕です!」

 

この試合はショーだ。

 

The 「Show」must「go on」.

君島育斗&白石蔵ノ介の組合せだったからこそ導くことができる力強いフレーズが見えてくるのではないだろうか。

 

 

この試合の中で白石が掴み取った『星の聖書』(スターバイブル)も幸村が言うように「ずっと『聖書テニス』に拘り続けた」から辿り着けたものだ。

今までの過去の上にある今日。

ギリシャ戦S3の時のような苦味を残したことも無駄な一日じゃない。

自分の人生(スタイル)を進み続けた先の答えだ。

go onの歌詞に「目指してくその場所は変わることのない一本道」とあるが、星の聖書は、聖書テニスを変わらずに進み続けた先に辿り着いた場所なのだろう。

 

Golden age237。「so attack」。

拳をもう一度握るぎゅっと

まだここじゃ終わらない。終われない。

進み続ける意志を硬く結ぶ一試合だ。

 

私はこの試合が大好きだ。

この試合を読むと前を向く力が湧いてくる。

 

余談だが、「show must go on」は故・ジャニー喜多川氏の座右の銘でもあったし、イギリスの伝説的ロックバンドであるQueenにも『The Show Must Go On』という楽曲がある。このフレーズに込める決意を、力強さを、覚悟を、感じる。

youtu.be

 

最後に、白石蔵ノ介の座右の銘についても触れておきたい。

白石は、今までに公開されたプロフィールで座右の銘が3度変わっている。

その変遷は下記の通り。

 全国大会準決勝後 無印40.5巻 有終の美

 W杯ギリシャ戦後〜フランス戦前 新23.5巻 「…この質問パスしてええか?」

 W杯フランス戦後 テニプリパーティ No man is an island.(和訳:人は一人では生きていけない)

 

終わりを超えて、迷いを経て、その先に踏み出す。

そんな姿が見えてくる。 

 

 

ショー・マスト・ゴー・オン。

何があっても止めない。続けて行こう。

keep it tough

go on 白石蔵ノ介(細谷佳正) 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索

そこから 未来を 始めてるんだ。