超解釈テニスの王子様  人生哲学としてのテニプリ(namimashimashiのブログ)

人生への圧倒的肯定を描き出す『テニスの王子様』と、その続編『新テニスの王子様』についての個人的な考察を綴ります。 出版社および原作者など全ての公式とは一切の関係はありません。全ては一読者の勝手で個人的な趣味嗜好です。 Twitterアカウント:@namimashimashi

2019-01-01から1年間の記事一覧

スポーツ漫画は現実スポーツの前座ではない

『テニスの王子様』『新テニスの王子様』を考察する面白さは、緻密に構築された世界観の秘密を解き明かすような類のものではない。 異世界ファンタジーやサスペンス・推理物の考察とは異なり、作品全体を通して発するメッセージやエネルギーが何であるかを掴…

平等院鳳凰は"頭(かしら)"である

Twitterで呟こうとしたら3,000字近くにまで及んでしまったのでブログにも載せることにしました。 Twitterは140字なのにね。 何考えてんだ、お前。っていう。 そんなわけで考証とかあんまりしていないし、Twitterばりの砕け口調です。 いつもブログ書く時に(…

思い出せ、越前 そして俺たちも、思い出せ

原作漫画への多大なる信仰とアニメ声優の声を聞きすぎた影響で長年、ミュージカル『テニスの王子様』(通称:テニミュ)の観劇を避けてきたが、社会人生活も3年目となった夏、収入にも困らなくなったこともあり、ようやくテニミュの観劇を開始した。2017年8月…

"テニスの王子様"って何なのさ (という自分への現時点での回答)

"テニスの王子様"性とは何だろう、と考えている。 時代が変わっても、媒体が変わっても、それを"テニスの王子様"だと認識させるものは何であるのだろう、と考える。 BEST GAMES!!手塚vs跡部のオーディオコメンタリーをはじめとしたBEST GAMES!!シリーズで製…

絶望の姿

『テニスの王子様』が描き出す人生への圧倒的肯定感を語るために用いた作中における絶望の姿を考えてみたい。『テニスの王子様』が絶望として表現したのは何だったのだろうか。 なお本稿は以前にアップロードした下記過去の記事と内容は重複しますがご容赦く…

最近考えている宗教生活とテニプリ関連の思索について

このブログを書いている私自身は参加していないのだが、2019年2月23日に開催された第3回テニスの王子様研究発表会において発表された研究の中に「テニスの王子様は神話」だと結論づけるものがあったという情報が耳に入ってきた(※要旨や発表内容を拝見して…

閑話_ブログ開設から一年経ったので…

odaibako.net いつもご覧いただいている皆様、 検索等でたどり着いてご覧いただいた皆様、 当ブログをお読みいただきありがとうございます。 心より御礼申し上げます。 個人的に書きたくて書いていることなので、 こういうものは自力で考えて、対象と対話し…

覆い隠される真理

本稿は『テニスの王子様』『新テニスの王子様』を宗教的気づきをもたらす物語として解読することを目的としているため、この試合のストーリーにおいて語られる精神的やりとりに着目して解析している。 テニスの王子様はテニスのルールどころか物理法則をも超…

「桜咲くこの街で 大きく笑おう」

竜崎桜乃は想定される読者の立ち位置を体現する存在なのではないだろうか。 傍観者から当事者になろうとする、物語から正しく勇気をもらう人物のシンボルだ。 彼女の言葉は真実を覆い隠す傍観者ではなく、越前リョーマをまっすぐにみつめる彼女の越前リョー…

価値観の格付けがされない世界

試合は哲学と哲学のぶつかる場所だ。 どちらの希望の力が強いか。 試合相手は互いにとっての絶望の姿をしている。 主人公を誰にするのか、思い入れを誰にするのか、によって見える正義の形も希望の姿も変わってくる。 そこで『テニスの王子様』は青学が主人…

キャラクター考_氷帝学園に魅せられるということ

本稿は、『テニスの王子様』におけるライバル校:氷帝学園について考察する試みである。 最初に断りを入れさせてもらいたいが、無印『テニスの王子様』は青春学園中等部男子テニス部が主人公のため、ライバル校の考察は非常に難しい。 ライバル校はどうして…

『BEST FESTA!! 青学vs氷帝』感想とか何か色々書きたくなったこと

(前置き) 本当はTwitterで呟こうと思っておりました。 書きたいことを書き出していったら、あろうことか3,000字(ツイート20個分)近くなったのと、文字数制限140字を数えるのが面倒になった(こっちが本音)ので、ブログ活用します。 (前置き終わり) >細々とし…

"解釈違い"の果てに

ここでは、"公式が公式設定を覆したこと"を解釈違いと定義づけよう。 そうすると、テニスの王子様の解釈違いは私個人が簡単に思い返すだけでも以下のような事案があった。 ・漫画 上(兄・姉)兄弟が後付けで出てきた 同じファンブック内で試合オーダーが異な…

天衣無縫の極みについて考える_人生の辿り着くべき場所への到達

※本記事は、作品名などの表記にブレがあったり、段落間の接続に違和感があったりするため、後日修正を入れる心づもりです※(2019.1.5) 2007年12月に刊行されたテニスの王子様公式ファンブック40.5によると、 "天衣無縫の極み◉”無我の境地”の奥にあると言わ…