超解釈テニスの王子様  人生哲学としてのテニプリ(namimashimashiのブログ)

人生への圧倒的肯定を描き出す『テニスの王子様』と、その続編『新テニスの王子様』についての個人的な考察を綴ります。 出版社および原作者など全ての公式とは一切の関係はありません。全ては一読者の勝手で個人的な趣味嗜好です。 Twitterアカウント:@namimashimashi

総論_受け取ったテーマ

「テニスは人生」

原作者はこう語る。

テニスの王子様で描かれている様は、全くその通りだと思う。

 

テニスの王子様で描かれているのは人生への圧倒的肯定。

生きる素晴らしさ、人が生きていくことへの愛が描き出されている。

最後に王子様達がたどり着く「テニスって楽しいじゃん」はそのまま「人生って楽しいじゃん」の意味になる。

 

 

 テニプリは訴える。

 どんなに情熱をかたむけても結果にならないことがある。報われないことがある。それでも人生は続く。人は生きていかなければならない。情熱が報われなかったことに絶望することなく、生きろ。きっといつかこれから続く人生の上でその時間が人を支える時が来る。その人生における一瞬と一生の重要さを言葉にすることなく訴えるのがテニプリだ。

 Dear Prince 〜テニスの王子様達へ〜は無印テニスの王子様の週刊誌連載最終回に掲載された原作者:許斐剛先生作詞の楽曲だ。

この歌の歌詞の一説が象徴する。

 

 "一生で最高のチャンス 逃したとしても 世界が終わる訳じゃないし前に進もう"

 

 圧倒的な人生への肯定。その前向きなエネルギーを発する漫画こそテニスの王子様なのだ。

 テニプリの登場人物達それぞれが自らの課題にぶち当たり、試行錯誤して、折れたり、乗り越えたりする姿を読者は目撃する。怒りも悲しみも挫折も経験するけれど、王子様達は次の明日に立ち向かっていく。その様子を200人を超える全てのキャラクターで描くことで、漫画全編を通読した読者に伝わるのは、人生の次の瞬間に目を向ける人の生き方であり、その尊さであり、また、その生きる力が自分の中にも存在していることに気づかされるのである。王子様達が自分に寄り添うように、隣を歩くように感じるのである。

 

 現実の日々は、落ち込む日もくすぶる日も冴えない日もある人生。

 

 それでも。

 

 王子様達に背中を押されて新しい一日が始まっていく。